2025-7-14



茶の庭にて、2025年夏、「にじゆら」の手ぬぐい展を開催中です。


大阪・堺にある注染工場が手がける「にじゆら」は、染めの伝統を今の暮らしに寄り添うかたちで届けるブランドです。その手ぬぐいには、技術と感性、人の温かさが丁寧に織り込まれています。


「にじゆら」という名前には、注染ならではの「にじみ」と「ゆらぎ」への愛着が込められています。大阪・堺という人懐っこく、ものづくりの文化が根づいた町で、職人たちは何十年ものあいだ、布と真摯に向き合ってきました。
このブランドは、長年にわたり培われた注染技法を活かしながら、作家のセンスや現代的なデザインを組み合わせることで、いまの時代にそくした「手ぬぐいのかたち」を提案しています。
「作り手と使い手の縁をとりもち、注染への理解が深まり、心を寄せてもらえるように」。そんな想いを胸に、にじゆらのものづくりは続いています。


にじゆらの手ぬぐいはすべて「注染(ちゅうせん)」と呼ばれる技法で染められています。注染は、白いさらし木綿をじゃばら状に重ね、防染糊で模様をつけ、その上から染料を注ぐ方法です。
注染で生まれる手ぬぐいには、わずかな“誤差”があります。しかしそれは、完璧を目指して真剣に取り組んだ結果として生まれた「味」。まるで人の表情のように、一枚一枚が異なる表情を見せてくれます。「均一ではない」ことも、にじゆらの手ぬぐいの価値のひとつです。


【つくり続けること。それが、にじゆらの願い】
にじゆらが目指しているのは、特別なことではありません。「われわれがこの町で、ずっと昔からやってきたことを、この先も、このまんま、ずっと、やり続けられるように」。そのために必要なのは、使い手の理解と、ものづくりを続けられる環境を守ることです。
ひとつひとつに刻まれた“人の手の跡”を感じながら、日々の暮らしにささやかな豊かさと彩りを添えてくれるーーーそんな存在です。


茶畑に囲まれた落ち着きのある空間で、深蒸し茶を味わいながら、手ぬぐいの色彩と肌ざわりをお楽しみください。
静かに湯気を立てる一杯のお茶のように、にじゆらの手ぬぐいもまた、心をととのえ、日常にやさしく寄り添います。季節のうつろいを感じながら、手仕事のぬくもりに触れるひとときを、どうぞ「茶の庭」でお楽しみください。

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